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COLUMN コラム

インタビュー 2020/10/30

ミニチュアとジオラマの違いとは?

世界最大級の屋内型ミニチュア・テーマパークSMALL WORLDS TOKYOはコロナ下でオープンしましたが、沢山のお客様に遊びに来ていただき、圧倒的なミニチュアの世界観と精巧さに心打たれた! という感嘆の声を多くいただいています。

今回はそんなミニチュアや奥の深いジオラマの世界について、スモールワールズでミニチュア制作からSNSまで幅広く担当する橋上さんに話を聞いてみました。

橋上 ひさ子

ラジオ番組制作会社、模型メーカー勤務を経て現在スモールワールズのエンターテインメント部および技術部企画管理ユニット企画所属。自身でジオラマ、模型も制作。

橋上さんがミニチュアやジオラマの世界に浸っていったルーツをたどりながら、ミニチュア・ジオラマ、そしてスモールワールズの魅力について探っていきます。

<聞き手=大﨑庸平(マーケティング部)>

大﨑

橋上さんは今までミニチュアとどのような関わり方をしてこられたんですか?

橋上

自分自身も1/24スケールのフランス車を中心としたジオラマと1/35のミリタリーモデルなどを製作しますが、仕事としてはプラモデルメーカーの営業部で、そのメーカーのアンテナショップで長く働いていました。プラモデルが大好きなのですが、どうしてもマニアのものになりがちなプラモデルという文化は一般性を持たない限り、どんどん衰退していくのではないかと考えています。その文化が生き延びるキーである、どうやって「一般性を得ていくのか」、いわゆるマニアではないお客様と模型、ミニチュアのつながり、を知る鍵がここにあるんではないかと思って、スモールワールズで働き始めました。

ハロウィーンコラム画像

橋上さんが制作したジオラマや模型。

大﨑

ミニチュアが一般性を得る。まさにスモールワールズがぴったりですね!
橋上さんがミニチュアやジオラマの世界にはまった理由やきっかけを教えてください。

橋上

絵画が好きなのですが、私は絵を描くことが上手でなく。家族がアート系というか祖母祖父から親戚まで絵を描くことが仕事だったり趣味だったりの一家で、妹たちがどちらも絵の才能があり、それと比べて自分は絵を描けない、何も表現できないと思って諦めていました。しかし、プラモデルを作り、ジオラマを作り始めると、自分の思ったように、自分の作りたい世界を作ることができました。そこから、ジオラマを好きになりました。

ハロウィーンコラム画像

自身がジオラマを作る喜びと、ジオラマの楽しさを広めたいという真剣な眼差しが終始インタビューで伝わります。

先ほどから出てくる“ジオラマ”、そもそもミニチュアとジオラマの違いを正確に知る人は少ないでしょう。

大﨑

ミニチュアとジオラマの違いはどのような点があるのですか?

橋上

ミニチュアとは何かを縮小した模型という意味です。 例えば、木も、本だって、お皿だって、建物だって、それを小さくしたものを作ったら、それはミニチュアです。それに対して、ジオラマとは、その周りのもの、その背景も含めた「情景」を模型にしたモノという意味です。模型表現を行う人の中で、「ジオラマ」というと、さらに、背景も含めた「ミニチュア」というだけでなく、そこに物語があるか、何かを表現されているか、というのが、それがジオラマなのかどうかという判断になります。

大﨑

物語ですか・・・?

橋上

例えば、地面があって家が置いてあったとすると、それは家のミニチュアとその背景ですが、その家やその周りにどんな物語があるのか、というのがジオラマです。家の中から手を振っている人がいるとしたら、その人はどんな背景を持った、誰なのか、なぜ手を振っているのか、また、製作者はなぜ手を振らせたのかという必然性も必要になります。

大﨑

制作者によってジオラマの物語が異なるわけですね。奥が深いアートのような世界観ですね。そう思うと確かにスモールワールズのモデラーはみんな多種多様で独特の雰囲気を持ってるように感じるのですが、スモールワールズのモデラーはどのような人たちが所属しているのですか?

橋上

いろいろな方がいらっしゃいますよね。おもちゃの原型を作っていた方だとか、鉄道模型をやっていた方、ガンプラ出身の方、カーモデルのフィニッシャー、大型のディスプレイを作る仕事をされていた方、ミリタリーのジオラマの専門の方、ドールハウス出身の方など色々な方がいらっしゃいます。

ハロウィーンコラム画像

ハロウィーンで使用するパーツをレーザーカットで切り出しているシーン。

現在女性の中でミニチュアやシルバニアファミリーのような可愛いものが密かなブームになっています。橋上さんにその要因やそれを踏まえてのスモールワールズの楽しみ方を聞きました。

大﨑

最近Instagramのストーリーで、女性の友達がミニチュアやシルバニアファミリーのような可愛い世界観を投稿する人が増えてるように感じています。その理由はどこにあると思いますか?

橋上

そもそも人間は一般的に小さいものが、特に日本人は小さいものが好きですよね。盆栽にしても箸置きとか万華鏡とか、雛人形とか小さなものに世界を凝縮してその見立ての中で心を遊ばせるというのは日本に古来からある文化で、みんな小さいものは好きなんだと思います。

大﨑

言われてみれば確かにそうですね。

橋上

それと、スマホで写真を撮って投稿する世の中になってから、「ものの大きさの実感」が薄れ始めているんじゃないかと思うんです。だから、SNSなどで話題になる一円玉とミニチュア、本物のように見えるミニチュアの中に実際の人の指が出てくるということが起こると、そこに現れる「大きさ」という実感にドキッとするものがあるのだと思います。ミニチュアの写真を撮った投稿が多く行われるのは、そこに理由があるのではないかと思っています。

ハロウィーンコラム画像

お客様がSNSに良く投稿する『世界の街』エリアの人気フォトスポット。

個性豊かなモデラーが作り、今もなお製作が続くスモールワールズのジオラマの世界。
自らジオラマを手掛ける橋上さんだから伝えられるスモールワールズを120%楽しむための方法を公開!

大﨑

スモールワールズでミニチュアを見て楽しむときの橋上さんのおすすめの楽しみ方はありますか?

橋上

私は、実際の世界だと見ることのできない角度で都市を見ることができるのが楽しいと思います。例えば、鳥の目線のように、空から街を見下ろすとか、地面すれすれの目線で街に入り込んだように見るとか。

大﨑

確かにお客様もしゃがみこんでみたり、地面すれすれにスマートフォンを構えて写真を撮るお客様が多いですよね!

橋上

それ以外にも実際の都市と同じように、街が進化していっているのも楽しみどころです。以前ある編集者さんがおっしゃってましたが、実際の都市も絶えず変化し、その中で人も生きています。スモールワールズの街も少しづつ変化し、住民も増え続けています。その街の息吹みたいなものを来るたびに感じるのも楽しいのではないでしょうか。

皆様のエリアのジオラマを見ながら、その表情をひとつひとつ観察し、物語を発見してみてください。さらに制作の背景や舞台裏を知りたい方は「バックヤードツアー」がおすすめです!

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