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COLUMN コラム

インタビュー 2020/10/23

ハロウィーンイベント プロモデラーのこだわり

SMALL WORLDS TOKYO いたずらされちゃったパーティー! SMALL WORLDS TOKYO いたずらされちゃったパーティー!

10/31(土)まで開催中のハロウィーンイベント2020「いたずらされちゃったパーティー」。
17:00以降たくさんの仮装したお客様を見ることができます。
皆様のお目当ては『世界の街』エリアに出現したハロウィーンエリア。
じっと見つめるお客様やカメラを構えるお客様、住民権を申し込んで自分を住ませるお客様などその姿は様々ですが、共通してハロウィーンエリアは多くのお客様の心を捉えています。
今回はハロウィーンエリアの制作を担当した金子さんにお話しを伺いました。

金子 辰也 [開発企画統括]

1977年に模型専門誌にジオラマ作品を発表しプロモデラーとしてデビューする。以降、現在まで40年以上にわたり模型専門誌をはじめ模型メーカー、コマーシャル、テレビ、企画展などをつうじて数多くの作品を発表し続け、日本における情景模型のあり方を確立したとされる。

<聞き手=大﨑庸平(マーケティング部)>

ハロウィーンコラム画像

スモールワールズらしさにこだわる金子さんの作るハロウィーンは、パーク内のお客様の誘導からミニチュアの世界へ入り込むまでをイメージしながら作ったというまさにプロにしかできないもの。そこにはプロモデラー金子さんの工夫とお客様を喜ばせたい思いが詰まっていました。

大﨑

ハロウィーンエリアはお客さんが立ち止まり必ず写真を撮る人気スポットになっていますが、スモールワールズらしさを出すための工夫や苦労したところってどういったところだったんですか?

金子

まず意識したのはスモールワールズ・パーク内の空間の広さとミニチュアである1/80の世界をどのように繋ぐかを考えたことでしょうか。

大﨑

“繋ぐ”ですか……?

金子

具体的に縮尺1/80スケール(人の身長が約20㍉程)で作られたミニチュア世界の一部にハロウィーンだけを作っても、この広い空間の中ではお客様が「どこでやっているの?」となってしまいがちです。そこで、お客様がエリアに近づいてきたときに「そこでハロウィーンやっているんだ!」となるサインを用意しました。ちょうど、天井から球体の自撮り用照明器具が各エリアに3個程度ぶら下がっていたので、これにオレンジ色の薄紙をラッピングしてハロウィーンのアイコンであるジャック・オー・ランタン(お化けカボチャ)に3個とも変えてみました。これで、離れたところからでもアイキャッチになって、お客様にも世界の街エリアでハロウィーンをやっていることがわかります。

大﨑

エリアのミニチュアだけじゃなくて、お客様の誘導も考えていたのですね。

金子

更にハロウィーンのスポットに近づいて行った時に、初めてみえてくる小さな世界。そこには活き活きとハロウィーンを楽しんでいる1/80のキャラクターたちの物語が見えてくるわけです。そして、お客様御自身がこの1/80の小さなハロウィーンの世界に入っていくような感覚を覚えてもらえたら楽しいだろうなと……。

制作に多くの意図や思いを持つ金子さん。そもそもスモールワールズがエリアやイベントを作るとき、どのような工程で作業が進んでいくのか探ります。

大﨑

そもそも世界の街エリアの『森の国』をハロウィーンエリアに選んだ理由とかはあるんですか?

金子

この場所はジャック・オー・ランタンのオレンジ色と、芝生のグリーンの色合いがマッチすると思ったのです。そもそもハロウィーンは、基本的に夜を舞台に光の演出をするのですが、この芝生のある場所は昼間の明るい時間帯(パーク内は15分間で1日24時間昼夜の光の演出を行っている)でもハロウィーンをアピールできる事が理由のひとつになりました。
さらに背景としてバックに街並みがあることで、ハロウィーンそのものがその街に住む人々の活気や行事的なものになるのではないかとも……。
もちろんお客様にも良く見てもらえるように、その芝生の部分が手前だったこともあります。

大﨑

そんなことまで考えて作っているのですね、それでハロウィーンエリアってどんな流れで制作が始まったのですか?

金子

「いたずらされちゃったパーティー」のテーマのように、それを見たお客様が一緒に遊びたくなるような可愛いお化けや住人たちを引き立たせるための舞台としてハロウィーンをどのようなものにしたら良いか、そこからスタートしました。
まず制作チームの中で、どのようなものができるかアイディアを出したてもらいました。
そこで意識したのが、コラージュの寄せ集めではなくスモールワールズらしいオリジナルなアイディアです。

「自らが光り、動力も使わずフワフワ動くお化けたちのエリア」 金子さんの工夫によって生み出されるハロウィーンエリアの正体を大公開します。

大﨑

金子さんが是非これはやりたいと思ったアイディアはどんなものだったんですか?

金子

“ブラックライト(※)”を使った演出です。それによって沢山の配線やLED照明などを使わずにハロウィーンの怪しくてどこか懐かしい光の演出ができると考えたのです。スモールワールズは照明で昼と夜があるから、ハロウィーンは夜の明かり、怪しい明かりをどう演出するかがポイントとなるので、あえて手作り感満載のファンタジックな光りを選択しました。それが、蛍光塗料とブラックライトの組み合わせだったわけです。
(※)ブラックライト=近紫外線を主に放射するように設計された蛍光ランプで、蛍光塗料を塗った部分を照らすと鮮やかに発光して見える。

大﨑

ブラックライトですか、確かにハロウィーンエリアには今様のLEDライトの明かりとは違ったファンタジックで怪しい明かりが印象的ですね。ブラックライトを使う上での工夫や苦労はありましたか?

金子

ハロウィーンのお化けの樹を置いた市場のある『王都』は、ジオラマが手摺りより低い位置にあるので、手摺りの裏側にブラックライトがつけられたのですが、『森の国』はジオラマより手摺りが低かったので、そこにブラックライトをつけても光がジオラマに届かないので、どうやってブラックライトをお客様から見えないように取り付けるか悩みました。

大﨑

では、『森の国』のハロウィーンの怪しいブラックライトの光はどこから出ているのですか?

金子

苦肉の策で考えたのが、ハロウィーゲートの裏側。裏側を見ると実はブラックライトがついている。むしろブラックライトをつける為に考えついたゲートなのですが、結果的にはいろいろな効果を生んでくれました。まず近づいてきたお客様にハロウィーンをここでやっていますよというサインとして、そして楽しいハロウィーンのシーンを怪しい光で浮かび上がらせるブラックライトの取り付けスタンドに、おまけにお客様ご自身を撮られる時のフォトスポットとして、一人3役を担ってくれました。
あとは“モビール(※)”を使ったところでしょうか。
※モビール=フランス由来のギネティック・アート(動く彫刻)。何枚かの木片や金属片などを糸や針金でつるし、それらがバランスを保ちながら微妙に動くようにしたもの。

大﨑

モビールですか?

金子

スモールワールズは天井が高いので天井から吊るすモビールを使って、街の上にお化けたちが空調とかの風だけでフワフワ飛んでいるようなものを作ったら楽しいだろうなと。それをカボチャ同様に蛍光塗料で塗ってブラックライトで発光させれば、闇夜に街の上に浮かぶお化けやコウモリが演出できると思ったのです。

プロとして追及する「スモールワールズらしさ」。そこに込められた金子さんの意図や願いを知ると、ハロウィーンエリアが10倍楽しくなります。

大﨑

最後に金子さんが伝えたい、スモールワールズらしさが存分に伝わるハロウィーンの見どころを教えてください。

金子

スモールワールズらしさの一番はやはり住民であり小さい国の住民である1/80スケールのフィギュアたち。そこで、それに合わせて1/80のカボチャを作っても1cmくらいにしかならず離れた距離からでは全然分かりません。そこで、1/1のかぼちゃと1/80の世界をどう組み合わせるか悩みました。私たちの世界では握り拳くらいの小粒のカボチャでもこの小さな国では巨大なカボチャになります。私たちがそんなカボチャをくり抜いて灯りを入れてジャック・オー・ランタンを作りますが、彼ら1/80の世界では家のような大きさです。それならそのくり抜いたカボチャの中や周りで小さな世界の住民たちに楽しく遊んでもらおうと…。

大﨑

私たち大きな人の世界では、小ぶりのカボチャも1/80の小さな世界の住民にとっては、家のようになっちゃうのですね。

金子

例えばカボチャハウスの上に乗っかって、そこから滑り降りてきたり、目のところから顔を出しているのが、かぼちゃの目玉になっているとか、口の中でかぼちゃに食べられちゃった風なキャラクターがいたりとか……。住民たちが仮装したりしてハロウィーンのお化けやキャラクターたちと一緒に楽しく遊んでいるのです。つまり大げさに言うと住民もお化けたちも分け隔てなくみんな仲良く共存している世界なのですよ。

制作責任者の金子はスモールワールズのオリジナルにこだわり、アイディアと工夫でお客様が喜ぶエリアを作り上げました。
金子率いる制作チームが作り上げたハロウィーンイベント2020「いたずらされちゃったパーティー」は10月31日(土)まで開催中です。
見て楽しい、撮って楽しい、住んで楽しいハロウィーンパーティーへ是非お越しください。